日本循環器管理研究協議会雑誌
Print ISSN : 0914-7284
職域における循環器疾患発症の実態と定期検診との関連
川久保 清増田 昇樫原 英俊柳堀 朗子郡司 篤晃
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1993 年 28 巻 2 号 p. 134-139

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抄録
職域における循環器疾患発症者の定期検診データから危険因子レベルを検討することを目的とした。職域の60歳未満の男性内勤者を対象とし, 過去5年間に遡り循環器疾患発症者の定期検診データを調査した。40歳から59歳における年間発生率は1000人対心筋梗塞1.02, 脳梗塞0.61, 脳出血0.47であった。発症直前の定期検診の結果では, 血圧は心筋梗塞例で平均141.6/91.6, 脳梗塞例で140.7/91.1, 脳出血例で136.0/89.2mmHg, 総コレステロールは心筋梗塞例で平均215.1, 脳梗塞例で204.4, 脳出血例で198.2mg/dlであった。軽度の危険因子を多数有する傾向があった。心電図はいずれも異常無しが大部分であったが, 2例において検診時の心電図検査で発見された心筋梗塞があった。職域における循環器疾患の一次予防には, 軽度異常例の管理が重要と思われた。
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© 社団法人 日本循環器管理研究協議会
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