日本循環器管理研究協議会雑誌
Print ISSN : 0914-7284
Cutler-Ederer 法について
青木 伸雄中村 美詠子
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1996 年 31 巻 2 号 p. 121-124

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抄録
生存率が過用される分野は非常に多く, 例えば, 種々の慢性疾患患者についての病型別, 重症度別, 治療法別の生存率の評価, あるいは生活指導別 (危険因子介入状況別) の生存率の評価を行うことができる。生存率の種類としては, (1) Cutler-Ederer法, Kaplan-Meier法, Coxの重回帰型生命表法などの “生命表理論” に基づく生存率, (2) 粗生存率 (直接法 : 一定の観察期間後の生存者数を観察開始時の対象者数で割ったもの。消息不明をすべて死亡とみなす最小生存率, すべて生存とみなす最大生存率, 分析の対象からすべて除外する推定生存率とに細分される), (3) 相対生存率 (死亡については全死亡を扱う場合に, 粗生存率を期待生存率で割ったもの) などがある。いずれの場合も, 対象者の選び方を厳密にしておくことが大切であり, 消息不明・脱落者の取扱い方は特に明確にしておく必要がある。観察期間が短い場合には, 図1より推測されるように, 生存者あるいは死亡者として分析対象に含める者は研究の目的, 対象と方法により異なってくることに特に注意する必要がある。
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