比較経済研究
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小特集 非先進経済のタイポロジー 2
多重乖離型経済<体制>としてのケニア:寡頭支配と「部族」主義のポリティカル・エコノミー
高橋 基樹
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 49 巻 2 号 p. 2_1-2_14

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抄録
歴史的に政府の資源動員能力や市場経済が発達しなかったアフリカ諸国には,政府と大衆の経済活動の乖離と経済部門の分節化という,先進国にない特徴が共通に見られる.土地の希少性と私有制度というケニアの経済体制のアフリカにおける特殊性は,寡頭支配及び土地をめぐる対立を要因とする「部族」主義という特徴をこの国に与えている.その特徴は,人口の急増や外部依存と相まって,ケニアの体制の不安定要因を生み出している.
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© 2012 比較経済体制学会
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