抄録
本研究は,大学生の無気力と,過去の友人に対するふれ合い恐怖及び現在の友人からのソーシャル・サポートとの関連について,友人との親密さ(同じ学校・クラス/部活仲間/親友)ごとに探索的に検討することを目的とした。4 つの大学の学生244 名(男性135 名・女性109 名)を対象に,無気力感尺度,ふれ合い恐怖尺度,学生用ソーシャル・サポート尺度を含めた質問紙調査を行った。階層的重回帰分析の結果,過去のふれ合い恐怖と現在のソーシャル・サポートのどちらも無気力と関連が見られた。過去のふれ合い恐怖は,友人との親密さが同じ高校・クラスメイトまたは親友・友だちの場合,無気力と正の関連があった。現在のソーシャル・サポートは,友人との親密さが同じ大学・専攻または部活・サークル仲間の場合,無気力と負の関連を示した。友人との親密さよって,過去と現在どちらの友人関係も,無気力との関連の仕方が異なることが明らかになった。