抄録
本研究は,PCAGIP 法を用いた事例検討に参加した幼稚園教諭が,経験年数の違いによって新しい気づきや幼児対応の意欲がうながされるのかを幼児理解やストレス,職場での人間関係などの面から検討したものである。5 つの幼稚園に勤務する教諭58 名が本研究に参加した。事例検討の結果,教職経験10 年未満の教諭は「子ども対応・理解のストレス」は高くなり,「職場人間関係のストレス」は低くなっていたが,10 年以上の教諭は「自己受容」が高くなっていた。また,幼稚園教諭の変容は,事例検討を通じて異なる視点に触れ,自らの保育活動を振り返ることで,共通する課題を認識し,専門性向上やより良い保育への志向へと向かう過程をたどることが示唆された。10 年以上の教諭は幼児理解や協働体制に関心が向けられ、10 年未満の教諭は自身の保育活動にも強い関心を示した。また、PCAGIP 法による批判のない安心した場が、気づきや学びを促進したことが示唆された。