認知症を巡るパラダイムの再考

抄録

認知症ケアのパラダイムとして世界的に知られるパーソン・センタード・ケア(PCC)が提唱されてから早くも四半世紀が経過した。今や多くの国で高齢化率が上昇するとともに認知症の罹病率が上昇し，認知症施策は国家的問題となっており，PCCが提唱された時代とは状況が異なっている。 そこで本稿では，これまでの主要なパラダイムについて概観し，そのうえで現代，殊に我が国の今日の状況にふさわしいパラダイムの再構成を試みた。