抄録
【目的】失語のある人との会話における対話者の会話態度と会話技術を評価するための観察評定尺度を作成し,信頼性と妥当性を検討する。【方法】言語聴覚士3名が評価に必要な内容をブレインストーミングで列挙した後,他の言語聴覚士2名がKJ 法に準じて概念化し,尺度の項目を作成した。信頼性の検討は,他の3名の言語聴覚士が2種の会話映像について評定を行い,尺度得点の内的整合性のほか,評定者間および評定者内信頼性の検討を行った。また,妥当性の検討は内容妥当性のほか,尺度得点と,会話における情報伝達率および失語のある人の対話者に対する話しやすさの印象を外的基準とした基準関連妥当性を検討した。【結果】尺度得点の評定者間および評定者内信頼性は高く,基準関連妥当性は尺度得点と外的基準との間に概ね有意な相関を認めた。【結論】本尺度は一定の信頼性と妥当性を備えると考えられた。