抄録
言語障害児の早期発見早期介入,そしてチームワークの重要性を臨床から得られた知見をもとに実証するために,言語障害児の長期経過からの予後の検討を行った。対象は就学前〜小学校1年生に当院リハビリテーションセンターを受診し,小学校3年生以上までフォローアップした言語発達障害児5例とした。結果は初期言語発達の遅れのある症例において就学後何らかの教科学習の問題が残存した。しかしながら経過観察を行いつつ,児の問題点となる側面を考慮した積極的な学習支援体制をつくることによって,学業成績の向上がみられた。幼児期には保育園・幼稚園,学童期には学校との連携を取りながら,量的・質的に適切な支援を継続することが重要であることが示された。