聴能言語学研究
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超未熟児の学齢期における言語能力
峪 道代住田 恵子井脇 貴子山本 基恵
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1994 年 11 巻 3 号 p. 131-139

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抄録
大阪府立母子保健総合医療センターにおいて出生した超未熟児の学齢期における言語能力検査を実施した.対象児44名(男20名,女24名)の出生体重の平均は871.6g(SD 158.9),在胎週数の平均は27.2週(SD 1.9)であった.検診時の年齢は7~9歳で,合併障害をもつものが14名含まれていた.知能検査が実施できた43名の平均知能指数は94.4(SD 16.4)で正常範囲内であった.語彙指数の平均は理解86.8(SD 17.3),表出88.1(SD 16.0)で同年齢児に比べて有意に低い成績を示した.口腔器官運動は,巧緻性は低いがoral diadochokinesisは同年齢児と比べて差はなかった.構音の成熟に遅れを示したものは多かったが,特徴的な構音の誤りは認められず,構音障害の出現率は同年齢児と差がなかった.これらの結果は,過去に報告された同様の研究結果と一致するところが多かった.同時に行われた心理,耳鼻科など他領域の検診結果との関連を検討することが今後の課題である.
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