聴能言語学研究
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乳児期に気管切開術をうけた1幼児の言語発達
中沢 真実
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1996 年 13 巻 1 号 p. 53-57

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抄録
気管切開後,スピーチバルブを使用し2歳10ヵ月に初めて発声可能となった4歳男児の言語発達経過を報告した.本症例の特徴は次のとおりである.(1)言語理解に比べ言語表出の遅れが顕著だったが,約1年6ヵ月の指導後表出も3語連鎖レベルに達した.(2)声門破裂音が出現した.(3)生活年齢に比べ各子音の初発年齢に遅れがみられ,完成年齢も遅れる傾向が認められた.(4)歯茎音・摩擦音の獲得に困難を呈した.
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© 日本コミュニケーション障害学会
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