コミュニケーション障害学
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低出生体重による脳性麻痺児の指示詞の発達特徴: 「運動障害」や「自-他の分化」との関連
平林 あゆ子
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2004 年 21 巻 2 号 p. 78-87

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抄録
脳性麻痺(CP)児は運動障害があるので,「自-他の分化」が遅れやすい。CP児の多くは低出生体重など未熟児で出生し哺育器で育つことが多く,その点においても「自-他の分化」が遅れやすい.「自-他の分化」や運動障害は指示詞の発達に関連すると考え,CP児の指示詞の発達を調べた.CP児A(1:11-3:10)を中心に,28人の健常児と他のCP児Bの指示詞の発達を比較検討した.その結果,(1)指差しや体幹の安定など運動の洗練が,対象指示を明確化し「コエ(これ)」の使用に影響した.(2)一番先に獲得する指示詞は、Aは「コエ」(もの次元)で,健常児は母親呼称(人称次元)である.母親呼称の開始には,母親からの物理的・心理的距離が必要と思われる.(3)自分自身の立脚点を示す「ココ」,「イマ」,「ボク」の開始時期,聞き手の領域を意識したソ系の出現がA,Bとも遅れた.以上から,CPの言語発達を運動障害との関連や「自-他の関係」の発達という観点からの解析が重要と考える.
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