コミュニケーション障害学
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〈STとして何ができるか、何をすべきか〉認知症へのSTのかかわり
本多 留美
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2007 年 24 巻 1 号 p. 45-49

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抄録

STの認知症の人へのかかわりの頻度や内容などの実態,および今後のあり方についての意見を集約する目的で,アンケート調査を行った.その結果,かかわりの頻度については,認知症をともなう例が言語訓練対象者の半数前後かそれ以上の割合を占めていると答えた回答者が50%を超え,STの認知症へのかかわりは日常的であることが明らかになった.また,かかわりの内容については,「摂食・嚥下面の評価」が業務量・重要性の両者において最も高かった.今後については,認知症にともなうコミュニケーションや生活上の障害についてもSTとしてかかわるのがよいという意見が多数を占めた.STが役割を果たすためには,認知症の人の障害特性に合った評価や介入の方法を開発し,有用性を明らかにすること,認知症についての学習の機会を増やすこととともに,ST自身が自らの役割を自覚し,役に立てる場を開拓する姿勢も重要と考えた.

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© 日本コミュニケーション障害学会
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