犯罪心理学研究
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原著
女性精神疾患者におけるサイコセラピーその2.食行動異常症を呈した常習累犯窃盗(掏摸)受刑者の一治験例
石原 慶子
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1983 年 20 巻 1.2 号 p. 1-7

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抄録

1.異常な食行動に対しては,禁止や説得は逆効果をもたらし,教育,訓練的な要素を持った方法がより有効であると考える。

2.本例は成熟拒否よりも屈折した性意識が認められている。

3. 食行動には自慰行為に近いものを感じさせられる。

4. 本例の場合,家族環境において神経症的人格を形成し易い要因が認められる。

5. 今回の犯罪は,母娘関係の葛藤が行動化されたものとして捉えられた。

6. 本例は馬場による神経性食行動異常症の境界群と考えられる。

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© 1983 日本犯罪心理学会
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