犯罪心理学研究
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原著
家族機能と非行少年の自立との関連
福田 順一
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1991 年 29 巻 1 号 p. 19-36

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抄録

(1) Bloomの研究結果を参考にした家族機能についての尺度構成で,「情緒的結合性」,「社会的活動性」,「拘束性」の家族機能が取り出された。

(2)一般群では年齢,家族数,出生順について経験的予測と一致する結果がみられたが,一般群と非行群では,非行群の方が情緒的結合性と拘束性がより強く,社会的活動性がより弱く認知された。非行群では長男の群が家族の拘束性をより強く認知しているが,非行群が回答段階で防衛的構えをとりやすいことも疑われた。

(3)親の欠損状況や親との離別状況による分析で,情緒的結合性が母性に,拘束性が父性に関連していることが示唆され,幼少期の特に母親との離別体験が家庭認知に重大な影響を与えていることも考えられた。

(4)自立の拒否としてシンナー耽溺を,自立への焦りとして暴力団所属を位置づけ,それらと家族機能との関連を調べたところ,両者共に家庭の情緒的結合性は弱く,拘束性が強いが,暴力団所属群は比較的社会的活動性が高く,シンナー耽溺群は拘束性がより強いことがうかがわれた。

(5)非行少年の自立をめぐる葛藤を事例をとおして検討した。

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© 1991 日本犯罪心理学会
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