犯罪心理学研究
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交通非行の分類
石毛 博糟谷 光昭
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1991 年 29 巻 2 号 p. 31-37

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抄録

交通短期保護観察対象者の交通非行歴を,数量化3類及びクラスター分析によって分類したところ,速度違反及び物損事故,その他の違反及び人身事故,無免許運転及び暴走行為,並びに飲酒運転の4グループに別れた。

各群の特徴を把握するため,運転態度検査とSensation Seeking Scaleを実施した。

一般的な交通違反や交通事故を起こす群には安全配慮不足運転態度が指摘され,無免許運転・暴走経験群には低年齢少年が多かった。

交通非行群は男子大学生に比べて,スリルや危険を伴う活動は好まない半面,社会的抑制を無視して自由な欲望充足を図ろうとする特性が高かった。飲酒運転経験群は,新しい経験を求める特性は低い半面,社会的抑制を無視して自由な欲望充足を図ろうとする特性が高かった。

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© 1991 日本犯罪心理学会
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