犯罪心理学研究
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否定的に評価された場面における怒り表出に至るプロセスの解明について―自尊心や不安の影響を加味した分析―
藤野 京子
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2014 年 52 巻 1 号 p. 47-58

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抄録

本研究では,Baumeister et al. (1996)の自負心脅威モデルを参考にしながら,状態自尊心や状態不安が,怒り表出に至るプロセスを検証することを目的とした。286名(男性118名,女性168名,平均年齢19.89歳)に自己報告による調査が実施された。他者の面前で自身が否定的に評価された仮想状況での結果からは,(a) 状態怒りは怒り制御と怒り隠蔽に加えて怒り表出に直接影響を及ぼすが,この状態怒りは状態不安から正の影響を受けること,(b) 状態自尊心の低下は状態不安を高めること,(c) 状態怒りは怒り制御に負の影響を与えるのに対して,状態不安は怒り制御と怒り隠蔽の双方に対して正の影響を与えること,(d) 怒り隠蔽は怒り表出に正の影響を与えること,が示された。

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© 2014 日本犯罪心理学会
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