以上主として筆者の訪問先の矯正施設で印象に残った点を述べた.全体として英国の矯正施設の処遇や教育はその国民性と同様,堅実で,特に目新しい処はないが,しっかりと地についている感じである.又地道な研究をもとにして,その制度や教育方法なども漸次改善発展していく途上にあるように思われる.英国でも,LSDなどの薬物の問題,ヒッピ一族など若者の怠惰な崩れの問題,未婚の母親など性道徳の混乱など,青少年問題で当面している問題は大きいようであるが,それらの解決に矯正施設の占める役割も注目されていることを附記してこの小報告を終りたい.