抄録
後腹膜脱分化型脂肪肉腫は非常に稀で後腹膜腫瘍全体の約0.5%とされる.後腹膜脱分化型脂肪肉腫を2例経験し,免疫組織化学的検討を行ったので報告する.(症例1)80歳,女性.2007年2月下腹部違和感を訴え精査施行.直腸左側の脂肪肉腫と診断.腫瘍とともに直腸間膜の一部,子宮全摘,膀胱部分切除術を施行.病理組織学的検査で脂肪腫類似型高分化型脂肪肉腫を伴う脱分化型脂肪肉腫と診断.(症例2)62歳,女性.2008年1月腹部膨満感,下肢浮腫を訴え精査施行.多発巨大脂肪肉腫と診断.腫瘍は大網,胃大彎側,結腸間膜,右腎前に存在し,可及的腫瘍切除術を施行した.病理組織学的検査で高分化型脂肪肉腫と脱分化型脂肪肉腫と診断.
2自験症例においてMIB-1陽性率を検討し,脱分化型脂肪肉腫で高値だった.組織学的悪性度から再発の危険度が高く,厳重な経過観察が必要と考えられた.