日本外科系連合学会誌
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症例報告
O-157による大腸炎が原因と考えられた成人腸重積症の1例
藤本 崇司熊沢 健一梅原 有弘高岡 和彦宮内 竜臣矢野 有紀猪瀬 悟史横溝 肇吉松 和彦
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キーワード: O-157大腸炎, 腸重積症
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2009 年 34 巻 6 号 p. 1062-1065

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抄録

 症例は28歳の男性,下痢,腹痛を主訴に来院.急性腸炎の診断で入院した.入院時の腹部超音波検査,CT検査で腸重積症を疑い,さらに注腸造影検査で確定診断し,非観血的に整復,腹痛は消失した.翌日施行した大腸内視鏡検査では盲腸に潰瘍と発赤を伴う浮腫状病変を認めたが,腸重積の原因となるような病変はなかった.入院後も下痢が継続したため便培養検査を行ったところO-157陽性で,前記内視鏡所見はO-157大腸炎によるものと確認した.下痢は入院当初からのホスホマイシン投与で軽快し,第8病日に再び施行した内視鏡検査では前記の病変は著明に改善していた.以上より,本症例の腸重積はO-157による大腸炎が原因と考えた.O-157感染症に合併した腸重積症の報告はほとんどが小児例で,成人ではきわめて稀であるため報告した.

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© 2009 日本外科系連合学会
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