日本外科系連合学会誌
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大建中湯の腸管運動に対する効果
菅 隼人内田 英二松本 智司山田 岳史小泉 岐博進士 誠一佐々木 順平谷 杏彌原 敬介古川 清憲
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2012 年 37 巻 4 号 p. 719-723

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抄録
大建中湯の構成成分は山椒,乾姜,人参,膠飴で,本邦で頻用されている大建中湯(TJ-100)は農薬などの有害物質を全く含まない.臨床現場では,術後の腸閉塞や癒着の予防などを目的に使用されている.最近,健常人対象の二重盲検プラセボ対照比較試験が米国で行われ,シンチグラムで測定した小腸と上行結腸の腸管内容通過時間が大建中湯投与群で有意に短縮したことが報告された.われわれは大腸癌に対する開腹術後の腸管運動に対する大建中湯の影響についてX線不透過マーカーを用いて検討し,対照群に比べて大建中湯投与群で小腸通過時間の有意な短縮を認めた.一方,鏡視下手術による結腸癌術後の腸管運動についても同マーカーを用いて検討したが,開腹手術と違い大建中湯投与群での小腸通過時間の有意な短縮は認めなかった.この原因として,鏡視下手術は低侵襲であり術後の腸管運動の回復が早いため,大建中湯の効果が表出しなかったことが考えられた.
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© 2012 日本外科系連合学会
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