日本外科系連合学会誌
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症例報告
胃全摘・結腸前Roux-en-Y 再建術後早期に内ヘルニアをきたした1例
福岡 達成竹村 哲菅野 兼史土井 洋輔由井 三郎
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2012 年 37 巻 5 号 p. 955-960

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抄録

症例は57歳男性.2010年9月に胃癌に対して胃全摘術(Roux-en-Y,結腸前再建)を施行した.術後6日目に突然の腹痛および腹部膨満を認め,腹部単純CT検査にて輸入脚および挙上空腸の著明な拡張を認めた.以上より胃全摘術後輸入脚症候群と診断し,再手術を施行した.術中所見では腹水はなく,挙上空腸と横行結腸間膜との間隙(Petersen’s defect),さらに輸入脚空腸と後腹膜との間隙に小腸が陥入しており,胃癌術後内ヘルニアと診断した.挙上空腸および輸入脚の壊死は認めず,ヘルニアの解除およびヘルニア門の閉鎖を行った.胃や胆道系手術でのRoux-en-Y(以下R-Y)再建を行った症例の内ヘルニア発生頻度は0.1~0.3%とされ,比較的稀な病態である.今回われわれは胃全摘・結腸前R-Y再建術後早期に内ヘルニアをきたした1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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© 2012 日本外科系連合学会
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