日本外科系連合学会誌
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臨床経験
ロボット補助下直腸手術後の男性における下部尿路・性機能障害の検討
松岡 伸司前田 耕太郎花井 恒一佐藤 美信升森 宏次小出 欣和松岡 宏勝野 秀稔塩田 規帆遠藤 智美
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2013 年 38 巻 5 号 p. 962-967

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抄録

直腸癌術後の下部尿路・性機能障害は術後合併症の大きな一つとされている.今回直腸癌に対するロボット手術での男性の術後下部尿路・性機能障害を国際的標準指標によるアンケートで検討したので報告する.対象は2011年9月より2012年4月までに当院で行われたロボット補助下直腸手術のうち,男性例の8例で検討した.アンケートは手術前,術後3カ月,6カ月,12カ月後の4回行い,手術前のアンケートは入院後に記入してもらい,術後3カ月,6カ月,12カ月後は郵送法にて行った.排尿機能は8例中で術前より機能が悪くなった症例は1例あったが,自己導尿を要する症例は認めなかった.男性性機能を検討した5例の平均IIEFは術後6カ月から徐々に改善する傾向にあった.また術後6カ月以降にはED,逆行性射精は見られなかった.今回われわれの報告ではロボット手術は比較的下部尿路・性機能が温存できる可能性があると考えられた.

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© 2013 日本外科系連合学会
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