日本外科系連合学会誌
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症例報告
穿孔性腹膜炎をきたし緊急手術を施行した小腸GISTの1例
中山 裕史竹田 伸近藤 建森谷 鈴子
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キーワード: 小腸腫瘍, GIST, 腹膜炎
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2014 年 39 巻 5 号 p. 911-916

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抄録

小腸GISTは,早期診断が難しく,進行すると腹痛や下血などを発症するが,稀に穿孔して腹膜炎の原因となる.急性腹膜炎にて緊急手術を施行した同時性肝転移,腹膜転移を伴う小腸GISTの1例を報告する.症例:51歳男性;主訴は,腹痛,下血で,腹膜炎の疑いにて他院より搬送された.腹部CTで下腹部に最大径12cmの,内部に腸管外ガス像と液体貯留を伴う巨大な腫瘤を認めたため,穿孔性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した.開腹すると,回盲弁から50cmの回腸に壁外性に発育する腫瘍病変を認め,腫瘍は穿孔して,穿孔部は隣接する組織に被覆されていた.小腸部分切除吻合術+腹腔ドレナージを施行した.切除標本では腸間膜対側に発育する小腸腫瘍を認め,内部は出血壊死し粘膜面と交通を認めた.免疫組織学的検査でGISTと診断された.同時性転移を伴うため,メシル酸イマチニブを投与したところ著効し,5年の生存期間を得た.

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© 2014 日本外科系連合学会
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