日本外科系連合学会誌
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原著
平均年齢90歳の超高齢者に対する経尿道的前立腺切除術の検討
飯ヶ谷 重来西村 泰司 遠藤 勇気柳 雅人鈴木 康友濱崎 務近藤 幸尋秋元 成太
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2016 年 41 巻 2 号 p. 147-151

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抄録

高齢者,特に85歳以上の超高齢者は合併症や全身状態を考慮すると,薬物療法抵抗性の排尿障害に対する経尿道的前立腺切除術(TURP)は議論がある.よって今回われわれは薬物療法抵抗性の排尿障害を有する超高齢者に対するTURPの有効性と安全性について検討した.対象は8症例で,平均年齢90歳であった.全例腰椎麻酔下でTURPを施行.平均手術時間は61分,平均前立腺切除重量は25g,輸血症例は2症例であった.全例において術中,術後の合併症はなく,術後カテーテル抜去が可能となった.また平均観察期間37.6カ月においても全例でカテーテルは留置されていない.以上より麻酔可能である場合の超高齢患者において,投薬にてカテーテルが抜去できない場合は有効性と安全性の面からTURPは検討してよい治療法と思われた.

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© 2016 日本外科系連合学会
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