日本外科系連合学会誌
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症例報告
CA19-9産生胃癌の1切除例
隈本 智卓 船水 尚武渡部 篤史保谷 芳行岡本 友好矢永 勝彦
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キーワード: CA19-9, 胃癌, 粘膜下腫瘍
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2016 年 41 巻 4 号 p. 572-578

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抄録

症例は74歳男性,2011年7月,胆石胆囊炎にて経過観察されていた.2013年3月より血清CA19-9が上昇傾向を示したため,精査目的で内視鏡およびCT検査が施行された.上部内視鏡で胃体上部大彎,後壁寄りに40mm大の3型腫瘍を認め,生検で胃癌と診断された.腹部造影CTでは,同部位の腫瘍は胃壁内に造影効果を伴う腫瘤性病変を認めた.術直前にはCA19-9が1,212U/mlまで上昇した.cT2N0M0 cStage ⅠBと胆囊結石症の診断で胃全摘術および胆囊摘出術を施行した.病理学組織診断では胎児消化管上皮類似癌様の形態を示す乳頭腺癌であった.CA19-9染色では細胞質が主に染色されるcytoplasmic typeであった.CA19-9産生胃癌の本邦での現在までの報告は39例であり,比較的稀である.さらに粘膜下腫瘍様形態をとるものは1例のみであり,考察を加えて報告した.

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© 2016 日本外科系連合学会
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