症例は65歳女性，2006年12月進行胃癌に対して幽門側胃切除術施行した（L，Post，Type2，pT2N2H0P0M0StageⅡB）．術後UFTによる補助化学療法を施行中，大動脈周囲リンパ節の腫大（No.16b1 interaorticocaval（以下，No.16b1 intと略記）リンパ節）および，腫瘍マーカーの上昇を認めた．再発と判断しS-1/CDDPによる化学療法に変更したところ腫瘍マーカーの正常化，リンパ節の縮小を認めた．Positron Emission Tomography（以下，PETと略記）にて他部位の再発がないことを確認し，2007年11月No.16a2b1 リンパ節の郭清を行った．その後S-1による補助化学療法施行していたが，2009年２月再度腫瘍マーカーの上昇およびNo.16b2 lateroaortic（以下，No.16b2 latと略記）リンパ節の腫大を認め，No.16b2 latリンパ節郭清術を施行した．その後も補助化学療法としてS-1を３年４カ月内服した．現在初回手術から８年２カ月，最終手術から６年経過し，再発所見なく生存している．
大動脈周囲リンパ節再発は予後不良なことが多いが，２度の再発に対し，集学的治療のなかでの局所制御目的の外科切除が有効であったと考えられた．
