日本外科系連合学会誌
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症例報告
Prostaglandin E1持続静注で治療した非閉塞性腸管虚血症の1例
水本 一生山口 峰一
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2018 年 43 巻 6 号 p. 1059-1064

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抄録

症例は74歳,女性.急激に下痢・嘔吐を伴う下腹部痛が出現し,救急搬送された.初診時,腹部単純MDCTで門脈ガスを認め緊急入院となった.翌日の腹部造影MDCTで門脈ガスは消失していたが,腹水を認め,回腸終末部から上行結腸までの著明な浮腫状壁肥厚を認めた.上腸間膜動脈は主幹より辺縁まで造影されたが,回腸終末部から上行結腸にかけて分節的に粘膜の造影不良部分を認めたため非閉塞性腸管虚血症(NOMI)と診断し,PGE1 0.01μg/kg/min持続静注を5日間施行し,発熱,腹痛,粘血便の消失と白血球数,CRP値の正常化,腹部CT所見の改善を認めたため,入院後第9病日より経口摂取を開始し,入院後第13病日で退院となった.

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© 2018 日本外科系連合学会
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