日本外科系連合学会誌
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外科領域における抗菌化学療法
大井 好忠後藤 俊弘
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1995 年 20 巻 5 号 p. 451-457

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抄録
1年間に教室ならびに関連病院で施行した手術症例635例について, レトロスペクティブに抗菌薬の使用状況と術後感染について調査した。いわゆる第3世代セフェム薬が無菌手術の67.2%に使用されていた。術後感染例も第3世代セフェム薬使用例に多くみられた。医療スタッフのMRSAによる汚染は外来新患者よりやや少く鼻腔9%, 手指7%であった。入院患者の鼻腔34%, 糞便25%にMRSAを検出したが, 病棟環境からの分離が23%にみとめられ注意を要した。無菌手術例のMRSA腸炎例を示し, 発症に係わる問題点を指摘した。術後の抗菌薬は単剤を使用するのが大原則である。MRSA感染症, 緑膿菌感染症ではFIC indexから, 適切な抗菌薬の併用をすべきことをのべた。無作為の併用では拮抗がみられることを示した。
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