日本外科系連合学会誌
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胃癌組織におけるMMP-2およびTIMP-2遺伝子の発現と血行性転移に関する研究
三浦 一浩小川 健治
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キーワード: 胃癌, 血行性転移
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1998 年 23 巻 4 号 p. 636-643

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抄録

がんの血行性転移にはMMP-2やTIMP-2の関与が予測される。本研究では進行胃癌42症例を対象に, 切除標本におけるMMP-2およびTIMP2遺伝子の発現をRT-PCR法で検索した。MMP-2mRNAはがん先進部で, TIMP-2mRNAは逆に非がん部粘膜で有意に高い発現がみられた。そこで, がん先進部でのMMP-2, TIMP-2mRNAの発現と臨床病理学的因子との関係をみたところ, 深達度や組織型とは関係しなかったが静脈侵襲, 肝転移との関係がみられた。すなわち, 静脈侵襲陽性例, 肝転移陽性例のがん先進部ではTIMP-2mRNAの発現が低下していた。このことより, 静脈侵襲から肝転移に至る胃癌の血行性転移の過程には, 間質も含めた胃癌組織における1) TIMP-2の発現低下, 2) それによる両者の不均衡, つまりMMP-2の相対的な過剰などが重要な促進因子として関連すると考えられる。

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