日本外科系連合学会誌
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早期十二指腸乳頭部癌 (乳頭部癌) の治療方針
木下 壽文青柳 成明福田 秀一
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2001 年 26 巻 4 号 p. 1130-1134

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抄録

1969年1月から1999年12月までに経験した早期乳頭部癌28例を対象とし治療方針について検討した。深達度はm : 14例, od : 14例で, 術式は膵頭十二指腸切除術 (PD) : 26例, 乳頭部切除術 (RP) : 2例であった。PD症例について進行癌と比較すると肉眼型は腫瘤型が大部分を占めており, 脈管・神経浸潤はないかあっても軽微なものが多かった。リンパ節転移陽性例は3例で, 全例第1群リンパ節転移であった。再発死は1例で2年後に (14) 再発で死亡した。RP症例は2例で高齢者および高度肝硬変合併例であった。2例共に切除断端陽性で, 1例は4年10カ月の現在生存中である。早期癌といえどもリンパ節転移を認めることよりPD (PpPD) +D2郭清が原則と考えている。RPは全身状態不良例, 高齢者, ポリープ型で癌が先端にのみ限局している症例が適応と思われる。

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