日本外科系連合学会誌
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十二指腸gastrointestinal stromal tumorの1例
二村 直樹松友 将純安村 幹央立山 健一郎阪本 研一
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キーワード: 十二指腸
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2003 年 28 巻 5 号 p. 898-902

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抄録
十二指腸原発のstromal tumorは稀な疾患である。われわれは, 本疾患の1例を経験したので報告する。症例は72歳の男性で, 主訴は黒色便である。1999年7月, 黒色便と全身倦怠感があり当院に入院した。消化管出血の精査で十二指腸に腫瘤を指摘された。十二指腸造影, 内視鏡検査では下行脚から下十二指腸曲にかけて中心潰瘍を伴う隆起性病変を認めた。CT検査では十二指腸に接して約6cm大の腫瘤を認めた。血管造影検査ではhypervascular tumorを認めた。以上の所見から十二指腸原発GISTを疑った。手術所見では十二指腸から壁外性に発育した手拳大腫瘤を認め, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術と右半結腸切除術を行って摘出した。摘出標本では十二指腸下行脚から下曲に80×50×50mm大で壁外性に発育した腫瘤を認めた。病理組織検査では紡錘形細胞が増殖しており, 免疫染色ではsmooth muscle actin, desmin, s-100蛋白, NSEが陰性で, CD34, c-kitが陽性であった。
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