日本外科系連合学会誌
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食道癌術後管理における好中球エラスターゼ阻害剤投与の有用性
竹村 雅至東野 正幸大杉 治司李 栄柱岸田 哲福原 研一朗西沢 聡岩崎 洋形部 憲吉田 佳世
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2006 年 31 巻 6 号 p. 909-913

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抄録

食道癌根治術後管理におけるエラスターゼ阻害剤 (SN) 投与の有効性について報告する。2003年1月~2005年7月までの胸部食道癌根治術施行48例を, SNを投与した24例 (SN+群) と投与しなかった24例 (SN-群) に分けた。これら全例で術直前にステロイドを投与している。また, 2003年1月以前でSNとステロイドを投与していない, 同手術施行22例をN群とした。これら症例で術7病日までのIL-6・好中球エラスターゼ (PMNE) ・CRP・WBC・AST・ALT・PaO2/FiO2比 (P/F ratio) の変動とSIRS期間を比較検討した。術後肺炎の頻度はN群が多い傾向にあった。PMNEはN群に比べ, 他の2群が低値で推移し, IL―6値は3群間に差を認めた。P/FratioはSN+群が最も高値で推移し, 各群間に有意差を認めた。SIRS期間には各群間に差がなかった。食道癌術後のSN投与は呼吸機能障害の早期回復および手術侵襲の制御に有用で, 今後食道癌術後管理における重要な因子のひとつとなると思われる。

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