日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
弓部大動脈に巨大仮性瘤を形成した穿通性粥状硬化性潰瘍 penetrating atherosclerotic ulcer の1例
山岸 敏治坂田 一宏
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2008 年 37 巻 6 号 p. 364-367

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抄録

症例は72歳,男性.嗄声を主訴に耳鼻科を受診したところ反回神経麻痺を指摘され,他院での胸部単純CT検査で弓部大動脈に7×4.5cmの動脈瘤を認め加療目的で当院紹介となった.胸部造影CT検査で弓部大動脈穿孔性仮性瘤と診断され,左開胸・低体温・選択的脳灌流下に遠位弓部大動脈のhemiarch replacementを行った.瘤化のない大動脈が粥状硬化により穿通し仮性瘤を形成したことから,穿通性粥状硬化性潰瘍(penetrating atherosclerotic ulcer: PAU)が原因と診断された.検索し得た範囲では,PAUによる弓部大動脈仮性瘤に対し手術を行った報告は本邦2例目であり,極めて稀な症例として報告した.

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© 2008 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
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