日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
後縦隔血腫により二期的胸骨閉鎖を必要とした胸部大動脈瘤破裂の1例
早津 幸弘永谷 公一佐久間 啓垣畑 秀光長嶺 進
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2009 年 38 巻 6 号 p. 376-379

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抄録
症例は70歳男性.平成20年2月に胸部大動脈瘤破裂を発症した.来院時CTで破裂に伴う後縦隔血腫により心臓が圧迫されていた.同日緊急手術となり弓部大動脈置換術を行ったが,胸骨ワイヤーで閉じると心臓が圧迫され血圧が著明に低下した.両側開胸とし後縦隔へ到達したが血腫を十分には除去できず胸骨を開けたままICU入室となった.術後3日目に再度閉胸を試み,40 mmHg程度の血圧低下を認めたが昇圧剤などで循環動態を保てるため,そのまま閉胸となった.その後も順調に経過し術後43日目に退院となった.
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© 2009 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
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