日本心臓血管外科学会雑誌
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[末梢血管]
総大腿動脈高度石灰化に対する超音波外科吸引装置 (CUSA) を用いた動脈内膜摘除・除石灰術の1症例
川瀬 康裕石井 庸介廣本 敦之仁科 大別所 竜蔵新田 隆
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2017 年 46 巻 2 号 p. 97-100

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抄録

閉塞性動脈硬化症において動脈内膜肥厚を伴う占拠性の動脈硬化病変のある症例では,動脈内膜摘除術が行われる.しかし,高度石灰化がある場合には石灰化した部位の内膜を摘除することは容易ではない.今回われわれは,総大腿動脈が全周性に石灰化していた症例に対して,超音波外科吸引装置(CUSA)を用いて除石灰しながら動脈内膜摘除術を行いパッチ形成した症例を提示する.症例は69歳男性.右下肢の間欠性跛行を主訴に来院した.画像診断にて右大腿動脈から浅大腿動脈,大腿深動脈にかけて高度石灰化を伴う狭窄病変を認め,CUSAを用いて動脈内膜摘除と除石灰を行い,逆Y字型のePTFEグラフトでパッチ形成を行った.術後2年の時点で狭窄の増悪はなく,良好に開存している.

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