2025 年 54 巻 3 号 p. 3-U1-3-U7
医師の働き方改革の本格施行を受け,心臓血管外科における特定行為研修修了看護師とのタスクシェアの重要性が高まっている.本研究では,若手心臓血管外科医および心臓血管外科に従事する特定行為研修修了看護師を対象に全国アンケートを実施し,実態と課題を明らかにした.術後管理や処置の一部においてはタスクシェアが進んでいたが,手術関連業務や緊急対応では限定的であった.看護師側からは,自身の役割や処遇,教育体制に対する課題が多くあげられた.今後,特定行為研修修了看護師との円滑なタスクシェアを実現するためには,役割の組織的支援体制の構築が不可欠である.