2005 年 34 巻 4 号 p. 265-267
症例は66歳,男性で,急性大動脈解離(Stanford A型)に対し上行弓部置換術を行った.そのさい,左腋窩動脈にePTFE人工血管を吻合し体外循環の送血路とした.弓部分枝再建のさいに左腋窩動脈はDacron人工血管と送血路として使用したePTFE人工血管を端々吻合し,ePTFE人工血管末梢吻合部を利用した.術後3ヵ月目ころから左鎖骨下に膨隆を認め,CT,穿刺所見からseromaと診断した.穿刺,ドレナージをくり返したが軽快せず,全身麻酔下にePTFEを切除しDacron人工血管に置換した.術後seromaは治癒した.