日本心臓血管外科学会雑誌
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急性A型大動脈解離手術後に発症したヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の1例
勝股 正義高原 善治茂木 健司田村 敦
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2006 年 35 巻 4 号 p. 222-225

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抄録
44歳,男性.急性A型大動脈解離により上行弓部置換術を施行した.術後呼吸不全,腎不全のためICU管理下であったが術後7日目から血小板数が急激に減少した.播種性血管内凝固症候群(DIC)を疑いメシル酸ガベキサートを投与開始し,血小板輸血を施行した.しかし,血小板数は低値となり,ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)を疑い,アルガトロバンに変更した.その後も血小板数は増加せず臓器不全,アシドーシスが進行し下血もみられ術後15日目に死亡した.本例はHIT抗体陽性でありHITと最終診断された.ヘパリンの持続,反復投与を施行される患者ではHITの発症を常に念頭において診断,治療に当たるべきである.
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