抄録
寸法変化のタイプが異なる2種類のアルジネート印象材を使用し, 印象硬化時温度(23℃, 32℃), 印象体放置環境(空気中, 100%湿度中および水中)および放置時間(0, 15および60分)の相違による, 円柱形模型の再現性を三次元座標測定装置を使用して測定した.その結果以下の結論を得た.模型の三次元的寸法精度は印象材のタイプの影響を受け, 印象体を放置しない場合には, 吸水膨張の大きな印象材による模型の方が, 直径が小さくなった.模型の寸法変化には印象材の熱収縮の影響は認められなかった.また, 模型の寸法精度に及ぼす印象体の放置時間と放置環境の影響は, 印象材の寸法変化と反対方向に対応して現われた.