歯科材料・器械
Online ISSN : 2188-4188
Print ISSN : 0286-5858
ISSN-L : 0286-5858
原著
歯科精密鋳造における「標識元素溶解法」を用いたチタン湯流れの研究 : 2.板状鋳型における湯流れと欠陥の関係
渡辺 孝一大川 成剛宮川 修中野 周二塩川 延洋小林 正義
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 10 巻 1 号 p. 77-96

詳細
抄録
標識元素溶解法を用いて, 板状鋳型空洞内のチタン溶湯の流れを観察し, 種々の鋳造欠陥と対応して検討した.サイクラークで鋳造した場合, 層流となって流れており, 厚い鋳型空洞では流れの渦の中心に大きな欠陥が生じやすい.また多くの場合, 鋳込み初期の段階で凝固層の殻が形成される.一方チタニウマーの場合は乱流となって流れており, しかも強い遠心力が作用し, 鋳型空洞内の湯の流れや, 欠陥の分布に影響を与えていた.薄い鋳型空洞では初期凝固層のため, 後から流入する溶湯が大きな抵抗を受け, 脇を通って流れる新しい充満タイプのあることが分かった.
著者関連情報
© 1991 一般社団法人 日本歯科理工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top