抄録
純チタンを用いて表面にアルミナサンドブラスト処理, フッ化水素酸, 硝酸混合浴による化学研磨処理およびケロシン油中の放電加工処理をした試験片を作製し, 接着システムの異なる2種類の硬質レジンを用いて, 接着性を圧縮剪断試験により評価した.サンドブラスト処理をしたチタンと硬質レジンの接着は, コバルト・クロム合金と同程度の高い接着強さを有し, チタンの硬質レジン前装冠への応用が可能であると考えられた.チタンと硬質レジンの接着には, 被着体の表面処理の影響が認められ, 化学研磨処理や放電加工処理をしたものは接着強さが劣っていた.今後処理条件について検討が必要である.