歯科材料・器械
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原著
コンポジットレジンの熱的性質に関する研究 : フィラーの違いとフィラー含有量の影響
平野 進齊藤 仁弘深瀬 康公西山 實平澤 忠
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1992 年 11 巻 3 号 p. 436-442

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抄録
ジメタクリレートをマトリクスとし, 熱伝導率の異なるシリカ, ステンレス鋼および銀の粉末をフィラーとし, その含有量を変化させた一連のコンポジットレジンを作製して, それらの熱的性質について検討した.供試したフィラーは, いずれもジメタクリレートより熱伝導率が高いため, フィラー含有量が増加するに従って熱拡散率と熱伝導率は上昇し, 比熱容量は低下した.熱伝導率については, Y.AgariとT.Unoにより提案された法則すなわち, 修正された複合則が適用されるものと考えられた.しかし, 銀をフィラーとした場合はマトリクスとの密度の差が大きく, またフィラーの分布が均一でないため, 上述の複合則は適用できなかった.
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© 1992 一般社団法人 日本歯科理工学会
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