抄録
赤外線加熱によるチタンと金合金との融接(直接接合)の可能性について, 2種類の金合金(金合金A, 金合金B)のぬれ広がり試験, チタンと金合金接合体の引張試験および接合界面の元素分析などの実験を行って調査した.その結果, 純チタン, Ti-6 Al-4 V合金に対して金合金Aおよび金合金Bのいずれも良好なぬれ広がりを示した.接合強さは, 金合金Aの場合, 純チタンとの接合では299 MPa, Ti-6 Al-4 V合金とでは492 MPaと高い値を示し, 比較の市販金ろうの接合強さに匹敵する強固な接合体が得られることが分かった.