歯科材料・器械
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原著
修復用光重合型コンポジットレジンの接着耐久性に関する研究―窩洞形態の影響―
福田 秀昭宮入 裕夫
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1998 年 17 巻 1 号 p. 46-53

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抄録
窩洞の形態が耐久性に及ぼす影響について, エナメル質, エナメル質/象牙質および象牙質に箱型および皿形の有底型窩洞と貫通型窩洞を形成し, その窩洞に光重合型コンポジットレジンを充填した試験体を作成した.そして充填された窩洞に咬合力を想定した繰返し荷重を負荷する耐久性試験を行い, 疲れ強さおよび辺縁封鎖性を調べるとともに接着界面のSEM観察により検討した.その結果, 疲れ強さはエナメル質で最も大きな値を示し, エナメル質/象牙質, 象牙質の順に減少する.窩洞の形態に関わらず, 繰返し荷重および繰返し数の増加とともに辺縁封鎖性は損なわれ, 接着界面には亀裂が観察され耐久性の低下を招く要因となる.しかし, 箱型窩洞と皿形窩洞を比較すると, 皿形窩洞の方が良好な辺縁封鎖性を示し, 接着界面の亀裂も減少し耐久性は向上することが明らかとなった.
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© 1998 一般社団法人 日本歯科理工学会
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