歯科材料・器械
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原著
ドライプロセスによるインプラント用チタンの表面改質 : 表面の特性評価
宮山 直也吉成 正雄小田 豊
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1999 年 18 巻 2 号 p. 109-121

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抄録
チタン表面を主にドライプロセス法である各種イオン注入(Ca^+,N^+,F^+),イオンプレーティング(TiN,Alumina),および酸化処理(チタニア低温溶射,陽極酸化)を行い,表面の特性評価を行った.イオン注入処理面は,注入元素とチタンとの化合物,注入元素のチタン酸化物,および酸化チタンから構成されていた.Caイオン注入表面はチタン酸カルシウムが,Fイオン注入表面にはTi-F化合物が存在した.イオンプレーティング処理面の組成は被覆原材料と近似していた.TiNコーティングは,主にチタン表面への耐摩耗性付与,および耐食性改善に有効であると考えられた.Aluminaコーティング表面は,Caイオンの吸着が認められなかった.チタニア低温溶射処理面および陽極酸化処理面は酸化チタンからなり,膜厚は各々,数μm以上,300nmであった.チタニア低温溶射処理面はAnataseが膜成分に含まれていた.
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© 1999 一般社団法人 日本歯科理工学会
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