歯科材料・器械
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原著
バルビツル酸系重合開始剤を用いたPMMA/MMAレジンによる象牙質の接着 : プライマーおよび前処理条件の影響
法亢 順光今井 庸二
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1999 年 18 巻 5 号 p. 390-394

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抄録
バルビツル酸/銅塩/塩化物の重合開始剤を用いたPMMA/MMA系レジンの象牙質への接着に,プライマーおよび象牙質の処理条件が及ぼす影響を検討した.N-(2-メタクリロイルオキシエチル)-2-ピロリドンのプライマーを用いると,HEMAプライマーに比べて高い接着強さが得られた.またグルタルアルデヒド(GA)とHEMAからなるプライマー(Gluma)を用いると,接着強さは最も高くなった.象牙質を10%リン酸/3%塩化銅(10P-3Cu)で30秒間処理した後30秒間水洗した場合,それぞれ10秒間の場合に比べ,接着強さが有意に高くなった.象牙質を10P-3Cuにより30秒間処理してから30秒水洗した後,Glumaプライマーを塗布し,2%の1-シクロへキシル-5-エチルバルビツル酸,0.003%のアセチルアセトン銅,0.06%のビニルベンジルテトラデシルジメチルアンモニウムクロライドを配合したPMMA/MMAレジンで接着することにより最も大きな接着強さを得ることができた.
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© 1999 一般社団法人 日本歯科理工学会
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