歯科材料・器械
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原著
タンニン・フッ化物合剤を含有した合着用セメントについて
俵木 勉石田 浩平中嶌 裕石塚 直治橋本 弘一
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1983 年 2 巻 5 号 p. 525-532

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抄録

歯の無機質および有機質を共に強化することによって, う蝕を抑制する予防歯科材料であるタンニン・フッ化物合剤が, 今回, 合着用セメントに配合されて市販された.このタンニン・フッ化物合剤を配合した合着用セメントと, 従来型の合着用セメントとを, JIS規格T-6602, およびADA規格No.8に基づいて比較検討し, 次のような結論を得た.1)タンニン・フッ化物合剤を配合した合着用セメントは, 機械的性質に向上が認められた.2)溶解度において, HY-BOND(glasionomer-c)は, Fuji-Ionomer Type Iより低い値を示したが, 当研究室におけるFuji-Ionomer Type Iに, 単にタンニン・フッ化物合剤を加えての実験では, その溶解性が増加した.3)グラスアイオノマーセメントは, 粉末粒子などの改良により, 従来問題とされていた被膜厚さに, 改善が認められた.

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© 1983 一般社団法人 日本歯科理工学会
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