抄録
本実験では, 硬化初期より24時間後までのグラスアイオノマーセメントの崩壊率の経時的変化について検討を行った.実験には, 従来型とレジン添加型グラスアイオノマーセメントを異なる3つの粉液比を設定して練和した.円盤状セメント試料体を水中浸漬させ, 24時間後までの崩壊量を測定した.その結果, 練和開始5, 10分値においてグラスアイオノマーセメントの崩壊率は最も大きくなった.従来型セメントにおいては, とくに低粉液比において有意に崩壊率は大きくなった.硬化初期において, 従来型セメントとレジン添加型セメントの崩壊率の変化の傾向に差が認められた.グラスアイオノマーセメントの崩壊率は, 硬化反応の進行に伴って小さくなった.また, 硬化初期においては, セメントの崩壊性は粉液比の影響を受けた.