歯科材料・器械
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原著
歯科用有機-無機ハイブリッド型フィラーの開発研究 : poly(γ-MPTS)とポリシロキサンとのグラフト化反応で合成したPMS-PSハイブリッドフィラーについて
石川 陽一
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2001 年 20 巻 2 号 p. 112-123

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抄録

コンポジットレジン用のフィラーとして新しいタイプの有機-無機ハイブリッド型フィラーを作製し, その基礎的性質および加水分解性について検討した。すなわち, poly(γ-MPTS)にポリシロキサンをグラフト化した有機-無機ハイブリッドポリマー(PMS-PS)を合成して, PMS-PSフィラーを作製し,その分子量,有機成分量および屈折率などについて明らかにするとともに,加水分解性について従来型のγ-MPTS処理シリカフィラーを対照として検討した。その結果, poly(γ-MPTS)の平均分子量は11000であり, ポリシロキサンの平均分子量は3200であった。PMS-PSフィラーの有機成分量は25.4wt%であり, 屈折率は1,472であった。熱水処理およびアルカリ溶液処理では, PMS-PSフィラーの加水分解量は, 従来型のγ-MPTS処理シリカフイラーと比較してきわめて小さかった.

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© 2001 一般社団法人 日本歯科理工学会
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