歯科材料・器械
Online ISSN : 2188-4188
Print ISSN : 0286-5858
ISSN-L : 0286-5858
原著
CAD/CAM用コンポジットレジンと接着性レジンセメントとの接着強さに及ぼす表面処理の影響とその長期安定性
最上 清子
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 20 巻 2 号 p. 136-144

詳細
抄録

CADCAM用コンポジットレジンブロック表面のサンドブラスト処理, シラン処理がレジンセメントの接着強さとその安定性に及ぼす影響を検討した. レジンセメントとしてデュアルキュア型(クラパール)と化学重合型(スーパーボンドC&B)を用い, シラン処理としては各セメント推奨のプライマーを用いた. 接着強さは圧縮せん断試験にて評価した. 接着強さの安定性はサーマルサイクルで評価した. デュアルキュア型ではサンドブラスト処理, シラン処理のいずれも接着強さを向上させ, 両者の併用が有効と考えられた. 化学重合型ではサンドブラスト処理は接着強さを向上させたが, シラン処理では接着強さが減少し, サンドブラスト処理が有効と考えられた. サーマルサイクルにより接着強さは減少したがその原因はレジンブロックの機械的性質が変化したためと考えられた. したがって, 適切な表面処理を行えば接着強さとその耐久性は問題ないものと考えられた.

著者関連情報
© 2001 一般社団法人 日本歯科理工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top